臨床心理学にいる

心理学のあれこれ

心理学史 001 デカルトの生得説とロックの経験論

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BY Takashi Kato

デカルト

17世紀のフランスの哲学者。合理主義(理性を重んじる哲学思想)的帰納法(個々の事例から一般的な法則を導き出すこと)を用いた哲学によって、近代哲学の父と呼ばれている。全ての知識の基礎となる原理を発見しようとした結果、この世界におけるすべてのものの存在を疑った上で、そもそも、そのように疑っている自分自身の存在を疑うことはできまいとする原理に辿り着いた。コギト・エルゴ・スム(我思う、ゆえに我あり)という言葉に表され、まあまあ有名。

デカルトによると、神は、思惟実体である「心」と、延長実体である「物体」の2つを創造し、この2つは人間において精神と身体として実在的に区別されているとのこと。つまり、精神と物(身体)はけっして交わることはなく、どんな関わりもないと主張している。

生得説


デカルトは、知識の大部分は経験から得られるものの、人間は生まれながらにもつ経験を超える知識(神など)が備わっており、これ(=生得観念)を利用して心の動きを説明しようとする(生得説の)立場(つまり、キリスト教にしがみついて心を説明しようとする立場)を取った。

なお、当時のデカルトをはじめとするヨーロッパ大陸の哲学者は、脳天気に知識は内から与えられるという理性主義(合理主義)を唱えている。

経験論


…とはいうものの、17、18世紀に興ったイギリス経験論主義では、デカルトの生得性を否定し、代表者の一人であるジョン・ロックは「心はもともと白紙(タブラ・ラサ)」と指摘した。すべての観念は経験から生じる(人間悟性論)と。

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BY Takashi Kato

ジョン・ロック

ホッブズの経験論と社会契約論を引き継ぐだけでなく、意義知る啓蒙思想の基礎を築いた人。その思想は、ロック以降のイギリス経験論哲学に受け継がれるだけでなく、フランス啓蒙思想にも大きな影響を与えた。


イギリス経験論は、精神活動の要素である単純観念(レゴのピース)を探し出し、それらの結合関係を明らかにする原意としての連想(連合)を重視したことから連想心理学と呼ばれていた。ちなみに、ジョン・ロックは人間は全て生まれつき善であり、自立的であり、平等であると主張している。

連想作用を重視する程度は、各人によって異なり、

  • ロックは、ほとんと執着せず、
  • ヒュームは、大いに重視し、
  • ハートリーは、大原則とみなした。
  • ミルは、精神機械論を唱えたが、
  • 息子ミルが否定し、結合の結果新しい観念になると精神化学を唱えた。