臨床心理学にいる

心理学のあれこれ

心理学史 012 フェヒナーの精神物理学

精神物理学とはフェヒナーが、身体と精神との関係に関する理論をめざして100年以上前に提唱した学問。ライプチヒ大学の物理学教授を勤めていたフェヒナーが、健康を害したことをきっかけに哲学的問題に関心が移り、特に心身の関係に考察して科学的基礎づけをしようとする中で完成した。

当然のことながら目標としたものは、哲学的であったが、皮肉なことにそのために用いた方法は、物理学者としての経歴が反映され、手堅い科学的な実験法と数学的な対処法であった(→それゆえに歴史に名を残すことになる)。フェヒナーの「精神物理学原論」(1860)の刊行は心理学史史上、画期的な出来事であったと考えられており、これをもって実験心理学の成立と見なされることも少なくない。

フェヒナーによると、「精神物理学とは、身体と精神、より一般的には物理的世界と心的世界、物的世界と心理的世界との間の関係の精密理論」であるという。感覚量が物理量の対数に比例するというフェヒナーの法則が有名である。