臨床心理学にいる

心理学のあれこれ

心理学史 016 ディルタイの了解心理学

了解心理学とは、ヴントと同時代のディルタイによって始まり、シュプランガーが継承して、ドイツで発達した(観念論的)精神科学的心理学である。心理学はともかく、心理学以外の人文諸科学に大きな影響を与えた(らしい)。

この学派は、感覚などの要素の結合によって精神現象を解明することで、一般的法則を導き出そうとするヴント流のアプローチを否定し、心を1つの構造と捉え、全人格的な価値という観点から人間の精神現象を了解(verstehen)という認識方法によって把握しようとする。この場合の了解とは、表現や記号を通して、そこに現れた精神を具体的に追体験しようとすることを表している(らしい)。

ディルタイは、自然科学の目的は現実の経験に与えられていない要素を過程して、現象以上のことを一般的法則によって説明するのに対し、(了解)心理学の目的は、全体として見るところから出発し、相互に関連し合う事象を了解することにあると考えた。了解というのは、事象に含まれる意味を主観的に把握するということであり、この観点から拡大解釈すれば、精神分析も了解心理学の一種とみることもできる。