臨床心理学にいる

心理学のあれこれ

心理学史 027 マクドゥガルの本能論

マクドゥガル

動物の社会的行動に関してマクドゥガルは、「本能」という種に固有の生得的な資質を説明概念として用い、それを人間の社会的行動の説明にまで拡張させた。

マクドゥガルは、本能を生得的な心理・身体的傾向と定義し、ある対象を知覚することである感情が起こるのは本能の働きによるものと考えた。また、本能を分類し、基本感情と結びつく本能があることを示し(例えば、逃走本能と恐怖、拒否本能と嫌悪、好奇本能と驚異など7項目)、これらの複合ですべての感情は構成されているとした。

しかし、本能はあくまで観念に過ぎず、上述した擬人観と同様に、行動そのものを規定する要因として実証することはできないと批判され、ある行動が本能によって引き起こされるのか、あるいは行動が観察されたから本能があるということになるのかという循環論に陥った。

その後、ロエブの影響を受けたワトソンの行動主義によって、本能論は行動の科学的研究には不要の観念という烙印を押されることになる。

いわば、行動主義の踏み台。