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心理学のあれこれ

心理学史 029 ギリシャ時代の気質論

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BY Takashi Kato

ガレノス

130〜200年ころ。ヒポクラテスに次いで尊敬された古代ローマの医学者。動物解剖に基づく研究と、人体の機能についての所見は、1400年にもわたって医学の理論と実践両面に大きな影響を及ぼした。ヤギや豚、猿を始め多くの動物を解剖した。


気質論

知能、性格、体力など広範囲にわたる個人差の存在と形成過程は、古くから問題とされてきた。ギリシャ時代にヒポクラテスは、医学の立場から血液・粘液・黄および黒の胆汁の4種(それぞれ宇宙の4要素である空気、空気、水、火、土に対応する)の体液で人体の動きを説明する体液説を主張した。4つの体液の割合が正しければ健康、その関係が乱れると病気になる。

ガレノスはこの考えを受け継ぎ、4つの体液のいずれが主になるのかによって4つの気質を上げる気質論(担汁質=せっかち・短気・頑固、多血質=快活・順応的・気分屋、憂鬱質=消極的・苦労性・空想的、粘液質=冷静・勤勉・無表情)を提唱した。こうした古来からの伝統はクレッチマーの性格の類型論に受け継がれることになった。

古代の気質論の誤りは、人は身体が健康なら精神も健康という単純な推測を行ったことである。人相学も同様の誤りを犯しており、物事はそう単純なものではない。