臨床心理学にいる

心理学のあれこれ

心理学史 034 機能主義

意識内容の分析を主としたティチナーの立場(構成主義)に対して、有機体の環境への適応を問題とし、精神活動を総合的にとらえてその機能を明らかにしようとする立場を機能主義という。イギリスのダーウィンやスペンサーの影響を強く受けて、ハーバード大学のジェームズやシカゴ大学のデューイ、エンジェルらによって提唱された。

ヴントに学んだアメリカの心理学者らは、帰国すると(論理性の破綻を嫌うドイツ人のように振る舞えず)実験室における内観法を放棄して、何かと手っ取り早い(大雑把なアメリカ人でもできる)適応の問題を扱うようになった。哲学におけるプラグマティズムのように、機能主義的傾向はアメリカにおいて非常に馴染みやすいものだといえる。

構成主義は、意識を「何であるか」と問うのに対し、機能主義は「何のためにあるか」を問う。ドイツ車は緻密さで作られているのに対し、アメリカ車は壊れるのを前提に作られている。

神経質で秩序好きなドイツ人であるヴントの輸入を試みたものの、大雑把で功利主義のアメリカ人には扱えず、その妥協の産物として誕生したのが機能主義であるといえる。それが後に行動主義や応用心理学の母体となっていった。