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心理学のあれこれ

心理学史 039 ウッドワースの力動心理学

ウッドワース

ウッドワースは、コロンビア大学でキャッテルに師事した後、イギリスで神経生理学の権威であったシェリトンに学び、帰国後はコロンビア大学に戻って人間の行動を規定する内的要因、すなわち「動機」の解明に力点を置く「力動心理学」を提唱した。

力動心理学に関して、ボーリングは「動機づけの分野における心理学」と定義し、ワレンは「生体内の動因や動機を重視した上で、心的現象を動機による因果関係の連鎖とみなし、体系的に解明しようとする立場」と説明している。


ウッドワースは、当時全盛をきわめていた古典的な行動主義では、刺激(S)と反応(R)との結びつき(S−R)と、それを規定する物理的条件のみに関心が向けられていたことを指摘し、刺激と反応とを媒介とするものとして生体(O)を提唱した。

アメリカにおける心理学の主流が、行動の説明を統制や観察可能な外的事象に求める行動主義へ移行する中で、ウッドワースの純粋のアプローチは消し去られていったが、考え方は新行動主義成立に大きな影響を及ぼしたといえる。