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心理学のあれこれ

心理学史 049 アドラーの個人心理学

アドラー

1870〜1937年、オーストリアのウィーン生まれの精神科医。当初医学を学んだが、フロイトの夢分析を読んで精神分析に惹かれ、フロイトとともに国際精神分析学会の設立に尽力した。しかし、フロイトの性欲説(リビドー)にうんざりし、人を行動に掻き立てる動機は他者への優越の欲求(権力への意志)であると主張。この優越欲求は、劣等感の裏返しとして生じ、その補償し過ぎ、あるいは逆に足りなさ過ぎによって神経症がもたらされるとした。

アドラーのこの考え方は、フロイトがエディプス・コンプレックスを重視するに比して決定的なものとなり、出会いから10年後、1911年に決別することになった。


アドラーは、性的衝動の抑圧を神経症の原因とみなすフロイトの理論を否定。人を動かすものは劣等感の克服と優位性の追求であると考え、無意識よりも自我の働きを重視した。こうした方向性の違いは、フロイトとの仲違いにつながるが、精神分析の理論的発展にアドラーが果たした役割は大きい。