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心理学のあれこれ

心理学史 053 オルポートの人格心理学

オルポート

1897〜1967年、アメリカの社会心理学者。フェローシップを取得してヨーロッパ各大学で学んだ後、ほぼ一貫してハーバード大学で教え、アメリカに最初の人格心理学講座を開設した。多忙な研究・教育の中でアメリカ心理学会会長や学会誌の編集長を勤める一方、優秀な研究者を育成し、アメリカ心理学会に多大な貢献をした。

シュテルンの影響を受けたオルポートは、連合主義や行動主義、精神分析のネガティブな人間観に嫌気が差し、独自の人格心理学を創始した。個人のパーソナリティは、全体的・総合的に理解すべきであるという立場に立ち、パーソナリティに共通する特徴は法則・定位的な研究よってとらえる一方で、個人的な特徴は個性・記述的な研究によって解明されるべきであるとした。その際、プロピリウムという概念を提唱し、特性は個々ばらあらにあるのではなく、統合されていることを強調している。

オルポートによる人格の能動性や全体性、独自性を強調する心理学は、既に確立されていた精神分析と行動主義に続いて、1960年台以降マズローやロジャーズらによって発展を遂げた第3勢力である「人間性心理学」の先駆けとなった。