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心理学のあれこれ

心理学史 055 エーレンフェルスの形態質

オーストリアのグラーツ大学にいたグラーツ学派のエーレンフェルツは、マッハの指摘に呼応し、メロディーのような構成要素以上の性質を持ちつつ、移調可能で、全体の性質が維持されるものを「ゲシュタルト(形態)質」と名付けた。単なる音の集まりが、「音楽」に変わるのは、異なる性質を有していると。

この概念はゲシュタルト心理学の出発点とされるが、要素主義的な考えに囚われていたエーレンフェルツは、形態質が要素の総和に「+α」的に生じるとしたため、ベルリン学派のウェルトハイマー、コフカ、ケーラーなどの直接経験として形態質が生じるとする立場から批判されることになった。

何はともあれ、エーレンフェルスの「ゲシュタルト質について」という論文がゲシュタルト理論の始まり。