臨床心理学にいる

心理学のあれこれ

心理学史 066 ハルの論理的行動主義

ハルは、ネズミの学習行動の実験データにもとづき、動因の低減をもたらす強化の連合を基本原理として、動因、習慣強度、反応ポテンシャルなどを仲介変数として用い、仮説演繹的方法によって、生活体のすべての行動を説明する学習理論を構築しようとした。ハルのご大層な理論は、心理学における自然科学的アプローチの典型として1930年代から1960年ころまでの「論理の時代」に、心理学全体にわたって大きな影響を及ぼすことになった。

補足

同一の刺激でも異なる反応が、異なる刺激でも同一の反応が生起するという経験的な事実から、全てをS−Rで説明するのは無理と考え、新行動主義者ハルとトールマンは、Oを仲介変数に採用することで対処したが、この変数の考え方は2つの方向を生み出した。1つはハルの仮説構成体に代表されるもので、習慣という概念を中心に置いて、多くの仲介変数を含むモデルを提案するものである。しかし、このモデルは検証困難なもの(微小で不可視なS−R連合の連結)が増え、やがて廃れていくことになった。もう1つはトールマンの目的的行動主義に代表されるモデルで、次の通りある。