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心理学のあれこれ

心理学史 069 バンデューラの社会的学習理論

1960年代前半、アメリカ心理学においてにハルやトールマンの影響力が衰え始めたころ、反応に対する直接的な強化を必要としない観察学習と代理強化の研究により注目を集めたのがバンデューラである。

一般的に社会的な習慣や態度、価値観などが、周囲の影響を受けて獲得されることを社会的学習といい、生得的な行動パターンが限られている人間にとって、周囲の行動パターンを獲得することは非常に重要なことである。この学習の基礎になるのが、模倣であり、ミラーとダラードは伝統的な学習理論から解説を試みた。ミラーの考えでは、他者(=モデル)の行動と同様に行動を行い、強化を得ることが学習の成立要件であるとし、一方、バンデューラは、人間の模倣行動は学習者が実際に行動を行うことはなく、それゆえ外的な強化がなくても、いわゆる無試行・無報酬であっても学習が成立することを示し、観察学習を提唱した。