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心理学のあれこれ

心理学史 075 チョムスキーと心理言語学

チョムスキー

1928年〜、アメリカの言語学者。生成言語理論の中核をなす生成文法論の創始者で、言語学に革命を引き起こした。

チョムスキーは、生成言語理論の前提として、人は生まれながらにしてどのような言語であっても、それを修得するための仕組みを脳の中にインストールされていると考えた。「言語習得の仕組みの内容は、すべての言語に普遍的に当てはまる。」と。生成言語理論では、人間のもつ言語の仕組み全体を「文法」といい、すべての言語が持つ普遍的な特徴は「普遍文法」と呼ばれる。普遍文法を明らかにすることが、生成言語理論の目標となる。

チョムスキーは、言語学に留まらず、心理学や医学の領域にも目を向け、生得的能力を含む認知能力を明らかにして、いわゆる「認知革命」を引き起こした。その影響は心理学だけでなく、情報理論、コンピューターの人工言語にも大きな影響を及ぼしている。


チョムスキーは、言語能力の生得主義の立場から生成文法論を展開した。(アメリカ人らしく)スキナーの著者「言語行動」(1957)を批判、オペラント原理による言語行動の説明を否定し、生得説と経験説という心理学に古くからある伝統的なテーマを言語学に導入することで、認知心理学と行動主義の対立を明白にした。1960年代にチョムスキー理論を検証する実験が活発に行われ、認知的言語研究が盛んになった。